生まれてきたあなたへ
6月のある日、あなたは、私のお腹に2ヶ月間いたことをお知らせしてくれました。突然のことだったけど、あなたがお知らせしてくれていなかったら、今のお母さんはいません。
3日後、お父さんとお母さんは、あなたに出会うことを決めました。
1ヶ月後、あなたはすくすくと成長していたことでしょう。お母さんは、それとは反比例して、ごはんもあまり食べられなくなりました。あなたが成長すればするほど、お母さんは痩せていきました。でも、あなたが元気なら、それでよかったのです。
2ヶ月後、おじいちゃんとおばあちゃんの声を聞いたことでしょう。東京でみんなで集まり、お父さんとお母さんは、あなたのことをみんなにお知らせしました。
3ヶ月後、お父さんの声をよく聞くようになったでしょう。お父さんが東京に戻ってきて、一緒に暮らし始めました。それまでお母さんはあなたと2人で暮らしていましたが、3人になって、さらに賑やかで楽しい毎日を送りました。
4ヶ月後、お父さんとお母さんは目一杯のおめかしをして、おじいちゃんやおばあちゃん、それからおじさんやおばさんたちに、たくさんのお祝いをしてもらいました。私たち3人は、家族になりました。
5ヶ月後、あなたは急に大きくなりました。あなたがお母さんのお腹を蹴れば蹴るほど、まわりの人は席を譲ってくれたり、あなたをなでてくれました。あなたは大きくなればなるほど、色んな人に愛されるようになりました。
6ヶ月後、お母さんの実家の大阪に移動しました。もうすぐあなたに会うためです。おじいちゃんもおばあちゃんも、あなたに会えることを楽しみに、あなたのお洋服を買ってくれたり、お母さんと一緒に病院まで送り迎えをしてくれました。
7ヶ月後、あなたは準備をして、この地球上に元気な産声を上げてくれました。10ヶ月もずっとそばにいたのに、あなたを直接いだくことはできなかったのです。これからたくさん抱っこができるようになると思うと、この上ない喜びを感じます。お父さんもお母さんも、あなたをいだくことができた喜びで胸がいっぱいになり、たくさんの涙を流しました。おじいちゃんやおばあちゃん、それからおじさんやおばさん、お医者さんや助産師さん、お父さんお母さんのお友達も、みんながあなたの誕生を喜んでいます。
たった10ヶ月間だけで、あなたはお母さんにたくさんのことを教えてくれました。
体をかえりみない生活を送っていたお母さんに、健康の大切さを教えてくれました。
仕事や会社から学べることが全てだと思っていたお母さんに、もっと社会、生活の色んなところから学べることもあるんだと、教えてくれました。
ある程度自立してきたと高を括っていたお母さんに、おばあちゃんの偉大さと尊さを教えてくれました。あなたのおばあちゃんには、かないません。
これから何年、何十年も一緒にいれると思うと、満ち足りた気分でいっぱいです。お母さんもまだまだ未熟で、あなたから教わることがたくさんあるかもしれません。だけど、お母さんの命が尽きるまで、責任をもって一緒にいることを誓います。一緒に、心豊かで楽しい歴史を刻んでいきましょう。
心を込めて、誕生おめでとう。
2014.1.29.
という文章を妊娠中に書いていたんだった。
下書きになったまま、スマホのメモ帳においておいたままだった。
手紙?
詩ですか?
って感じだけど、誕生してから一ヶ月たったいま、読み返してみても、なんだかほっこりするなぁと思って、公開。
10ヶ月間もお腹にいたりりは、まだこの世に生まれてから1ヶ月。
この1ヶ月間は私にとっては、ばたばたしてものすごく早く感じたけど、りりにとってはまだたったの1ヶ月。
まだこの世の中に慣れない中で、模索しながら、生きているんだろうなぁ。不思議。。
毎日必死に生きようとしているいのちを目の前にして、たまには一息ついて考えたい、そんな日もあるよね~。
以上