「勉強するよりゲームをやれ」大前研一氏の子育て論がぶっ飛んでいて面白い

大前家の子育て

@まなしばです。

大前研一氏の「大前家の子育て」という本を読みました。

この本、夫が買ってきていて、ああ、大前研一氏の考え方ってとてもおもしろいので、読んでみようと思い読んでみたら、これまたぶっとんでいて面白い!

文庫本なので600円程度で購入できますのでご興味があればぜひ手にとってみてください。
ここでは、印象に残ったところを書いていきます。

大前研一氏ってどんな人

ちなみに大前研一氏は、早稲田大学理工学部を卒業し、東京工業大学大学院で修士号、マサチューセッツ工科大学大学院で博士号を取得。
その後日立製作所を経て、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター、アジア太平洋地区会長などの要職を歴任し、1994年に退社。
独立後は、カリフォルニア大学の大学院教授ほか、世界の大企業のアドバイザーなど、幅広く活躍している超ビジネスパーソン。

よくビジネス系の雑誌とかインタビューに出ているので、名前を知っている人も多いはず。独特の物言いから、「大前節」などとも言われていますね。

奥様は大学院時代に出会ったアメリカ人。出産時には、当時は珍しかったであろう立会い出産をされたようで、(意外にも)イクメン。

二人の息子がどうなっているかというと

そんな大前氏の息子は

  • 長男も好きな化学の道に進むのかと思っていたら、突然大学で進路を変え、卒業せず。二十代でウェブコンサルティング会社を起業。従業員は45名ほどを抱えている。
  • 次男は幼いころからのゲーム好きが高じて、中学時代は学校の勉強はそっちのけでプログラミングに熱中。「コンピュータを勉強するのに日本にいたらダメだ」と、付属高校にはいかず、自分でアメリカの全寮制高校を探し出し留学。そのあと進んだ名門大学のコンピュータ学科も、もう教わることがなくなったと中退。そしてゲーム開発のミドルウェアソフトを提供するユニティ・テクノロジーズの日本担当部長を務めながら、自分で起こした会社の社長として腕をふるっている。

とまあ、普通に学校には行かず、ぶっとんだ経歴を持たれています!

自分で飯を食べていける人間に育つか

大前氏が考える子育ての最終的なゴールは、「自分で飯を食べていける人間になるか」ということ。

そしてそれに必要な要素として、二人の息子に小さい時から叩き込んでいたというのが、「自分」「家庭」「会社」「国家・社会」に対する責任だ。
それらを負うことができれば、どこにいっても生きて行けられるという。

確かに、今自分が社会人になって思うことは、「どこに行ってもご飯を食べていける力」が必要だなーと感じています。
いつ会社からクビになるかわかりませんし、日本にずっと住むことができるかもわかりません。そんな中で、自分で何かスキルを身につけて、食べていける力が必要ですからね。なんてったって、子供を食べさせていかないといけないので、なおさらですよ。

食事中はテレビを消して家族で会話

これぞ大前家流!といった感じなのですが

我が家では食事のときに毎回テーマを決めてみんなで話し合うということをやっていました。(中略)これを定期的にやっていると、子供たちの考える力やプレゼンテーション能力は確実に上がります。

たとえば、その日の朝刊にスロバキアの記事があったら、「スロバキアについて知っていることを教えてくれ」などと尋ねるそうです。

そんな会話している家族を見たことはないですが(笑)これ、定期的にやるとかなり考える力がつきそうですね。テーマは難しくなくても簡単なことでもきっとよくて、考えることが大事ですね。

愛情は時間ではかれる

子供への愛情に関しては、意外にも?時間が大切だと言われています。

妻や子供をいくら大切に思っていても、家に帰るのは、いつもみんなが寝ている時というのではダメ。
自分の時間をどのくらい家族のために割けるかが、愛情の基本だ。

質よりも量、と言っているところが意外ですね。マッキンゼー時代の忙しい時期がありつつも、家族への時間の使い方にはきちんと気を遣っていたことがわかります。

暗記するほどバカになる。勉強するよりゲームをやれ

ここ、現代の学校教育を大前氏が批判しているところなのですが

子供の宿題を見ると腹が立つから、「もう宿題をやるな。それだったらテレビゲームかパソコンをやれよ」と私は言ったのです。夏休みの数学の宿題などを見ていると、同じ問題を数字や、組み合わせだけをちょっと変えてあって、200問やってこいというような、要するに教育というより「訓練」に近い問題がこれでもかと並んでいます。

宿題やるくらいなら、ゲームをやれ、といえますかね。普通の親だったら言えないですよね。
この辺は個人の考え方ですから、それがこういった方針で大前家は成功したということになるのでしょうか。

そのゲームについて、こう言われています。

これまで私が感動したのは、「シムシティー」。プレイヤーは市長の役割を担当して、市政を運営します。
限られた税金で町をどうやってつくっていくのか。
ゴミに予算を使ってしまったら犯罪が増えるかもしれない。いい町は人口が増えるけれども、人口が増えすぎることも逆に問題になる。(中略)このようなことを小学校のころから教えこむのは非常に重要だと思います。つまり現在の日本に根強くある、何でも要求して、要求したら勝ち、ごねたら勝ちという自己責任を取らない考え方に対して、ゲームはきわめて実践的で有効な思考パターンを提示していると思います。

なるほど。
私も小さい頃からテレビゲームは大好きでして、小学生の頃にプレイしたスーパーファミコンのゲーム「ハンバーガー屋を経営して、店を大きくしていく」というものを思い出しました(ゲーム名は覚えていませんが)。
売れるハンバーガーを自分でカスタマイズしてメニューとして出し、売れなければなくす、売れたらまたいいメニューをだして利益を出して店を展開していく、といったゲームなのですが、単純に経営の仕組みを学ぶには、とてもよかったと思います。たしかそこまで大きくできずに中途半端な店舗規模で終わってしまいましたがね。笑

こういったことは学校では教えてくれなかったと感じるので、確かにいい勉強になったなーと思います。
こういうゲームは、積極的に子供にも提示していきたいと思います。(やるやらないは本人が決めますからね)

小遣いを廃止し、代わりに「家庭内利権」を与える

子供の自立心とマネー感覚を磨くために、小遣いを廃止し、「家庭内利権」を与えたという。

たとえば、家の窓掃除をアウトソーシングすると5000円なら、親はその利権を息子に与え、業者が磨いたようにピカピカにしたら5000円を支払う。(中略)このことから、「きちんと仕事をすれば、それにふさわしい対価を得られる」ことを子供は学びます。

小遣いって基本的には、何もせずとも親からもらえるものですから、大人になってから、もしくはアルバイトするようになってからわかるんですけど、小遣いほど苦労せずにお金をもらえることはないですね。
ちなみに私も小遣い制でしたが、何にどれくらい使うのかを言ってから、もらえる形でした。まあ、苦労せずにもらえていたことには変わりないですね。

長男「子供は親とは違う一人の人間として尊重すべき」

本の最後には特別インタビューとして、長男と次男へのインタビューがあるんですよ。それがいい味を出していて面白い。
子供が三人いるという長男は、「子育て」を以下のように語っています。

「自分から生まれた人間だけど、子供は親とは違う一人の人間である」とまず認めること。その上で、子供をよく観察し、また子供の目線に立って対話し、それぞれの性格や特性を尊重して何をしたらいいかを考えることではないでしょうか。

いやぁ本当にその通りですね。勉強になります〜。

まとめ

大前氏の意外な一面(?)を見ることもできるし、「子供にはいかに考えさせて、自立するように育てるか」ということに関して、具体的に方法論として書かれていたことはよかったと思います。経験談と一緒に。
各家庭、子供と合うかどうかはわかりませんが、この子育て論は頭に入れておいてもいいかなと思います。

個人的には、アメリカ人の奥さんの話もインタビューで載せて欲しかったなあ、と思います。奥さんがかなり家庭を支えてこられたでしょうから。